コミック新現実が一段落

みなもと太郎さんがいるからもしやと思っていましたが、あすなひろし特集でした。ちなみに今回私はまったくノータッチです(もうずっと前からですみません)。みなもとさんの対談連載は本にまとまるそうなので期待しています。西谷祥子さんは嫌いだと思っていたのですが今回は踏み込んで評価していましたね。米沢さんの評価とかがあるし少女まんが史的に絶対はずせない最重要作家なのは疑い得ませんが、「少女まんがの系譜」でも西谷の重要性は強調されており、ただその作品には冷酷ささえ感じさせるものがあったと記されているので、男性にとって決して心地いいものではないのだろうとは思います。「マリイ・ルウ」の冒頭のページがいったいこれは何だろう、って感じですからね。

過去の号でみなもとさんが富永一朗氏についてちょっと語っていました。ある意味ですでに伝説化された谷岡ヤスジ氏と比べてみても、富永一朗という作家はデビュー当時からかなりぶっ飛んだ漫画家なのですが、そのへんが評価されていないんじゃないかって気は、私はします。呉智英氏にとっての谷岡ヤスジが、柄谷行人氏にとっての中上健次と同様の関係になっている感じでしょうか。