『まんが王国の興亡』が読めない

マンガ産業論』で話題となった中野晴行氏の『まんが王国の興亡』をeBookJapanのページからダウンロード購読しようとしたのですが、eBookReaderのインストーラが毎回中断されてしまい、先に進めません。
私のPC環境に大いに問題がありそうではあるのですが(年末年始もブラウザが固まってばかりでしたから)、IE6前提で(IE7で設定はしましたが)専用ソフトをインストールしないと読めないという時点でちょっと困っています。専用ソフトのインストールを妨げているのがセキュリティソフトの可能性もあるかもしれず、これなら多少高くてもオンデマンド販売してもらった方がいいなあと思います。

自分が『マンガ産業論』をそれほど高く評価していない(業界人視線に過ぎるんじゃないでしょうか)ということもあって、今度はどうかと気になるところではありますが、流通の時点で手元に届かないとなるとなおのこと疑念が生じるところです。

ユリイカの2月号に雑誌の問題が混ざってくるだろうとは思っていましたが、私はインターネットが雑誌に取って代わったとは全く思っておらず、雑誌はマンガも含めてこれからはむしろ月刊誌時代のような総合誌を目指すべきという考え方をしています。
(問題なのは、総合誌はコンビニやキオスクのようないつも目に届くところに置かなければいけないということで、読まなくてもどうでもいいような論壇誌はすでに置いてあります)

インターネット上の「雑誌」は綴じしろがないために、雑誌を買ったときに読まない<ムダ>な部分はほとんど広告と同様のものとして見逃されてしまうのですが、それと同時に本という形態として持ち運びできない部分をインターネットだとどうしても個々が<便利>なように別のページを余計に恣意的にくっつけてしまうことが、電子化以前の問題として従来の雑誌とはまるで異なるメディアとしているのだと感じるのです。

そして私が思うには、ネットであれテレビであれ「論壇化」こそが雑誌を殺しているのです。そして「論壇化」は実のところ「広告化」とセットになっているのだと思います。総合誌は別に論壇誌にする必要など全くないのですし、単なる論壇誌ならばいまや必要がないのです。総合誌とここで言っているのは、例えればネットやテレビに対してラジオというのに近いものです。

それでどうしたという話をしようとすると一冊の本にもまとまらないくらいいろいろ考える必要がでてくるに違いありませんが、その前に『まんが王国の興亡』を何とか読んでおきたいところです。