こちらにもなんかすごい本が

ピーター・ブレグヴァドに続いて今度はジュリアン・コープ

ジュリアン・コープのほうが日本での知名度はずっと高いと思いますが私は巡り会いが悪くて聴いたことがありません。
1960年代から70年代にかけての日本のロックについて海外のミュージシャンが研究した奇書とのことですが(Amazonのレビューでは5つ星がつきながら奇書としておもしろいという評価が多い)、日本のミュージシャンが海外でどのように評価されてきたのかを知る資料としてはかなり貴重なものだと思います。というのもちょっと立ち読みしたところでは佐藤允彦(さとうまさひこ。ジャズピアニスト)とツトム・ヤマシタ(Stomu Yamash'ta)、小杉武久など海外で活動して高い評価を受けたミュージシャンについて日本人ではよくわからないところがちゃんと書かれているからです。そこから武満徹に絶賛されたマジカル・パワー・マコに向かうのは自然でしょう。
日本のロック史を語る上で欠かせないと言われるはっぴいえんどの名前が出てこないのは英語を話す人間にとってはさほど音楽的に興味を惹くものでないことが当然であって、ツトム・ヤマシタを評価しているからにはYMOの出る幕もないでしょう。大阪万博の頃の日本の現代音楽やジャズについて多少知る必要があるかもしれません。

Complete Go Sessions

Complete Go Sessions

ゴー・トゥー(紙ジャケット仕様)

ゴー・トゥー(紙ジャケット仕様)

ゴー・ライヴ(紙ジャケット仕様)

ゴー・ライヴ(紙ジャケット仕様)

コープはヤマシタのGOプロジェクト(爆笑するほどの豪華メンバーがそろった「スーパーグループ」でした)を以前より弛緩してしまったとして評価していませんが、ヤマシタのパーカッション奏者としての才能がGOではよくわからないのは確かです。ヤマシタがもっとも海外で活躍した時期のアルバムが日本ではちゃんと紹介されていません。そんなこんなで一読の価値はあるでしょう。