近況

大阪府立国際児童文学館の移転廃止問題についてはココログのほうに書いてきましたが、府庁WTC移転問題が議会で最後まで紛糾したのに対し、廃止案のほうはなし崩し的に可決されてしまいました。この問題に関しては今後も自分ができる範囲で追っていくつもりです。
昨年から体調がすぐれません。いろいろと解決しなければならない問題が積もって進展しません。体調のためにそろそろ寝る時間です。

今の世の中それどころじゃないだろうと思われる方にはもっともですと言わざるを得ないのは確かです。緊急に改善しなければならない問題が山ほどあるのに何で悠長として決断を先延ばしにするのだという気分が若い人にはあるでしょう。しかし即座な決断はその決断を必要とする現場にいてこそできることであり、長期的な見通しを持たずにそれぞれが勝手に動いてわけがわからなくなるということもあります。短期的な利益の追求が長期的な損失を招くとすれば、別の見方をとる必要もあるというのは、自分が年をとったからの言い訳かもしれません。
今思うのは、世代が離れていても同じくらいの年に似たような体験をしている人たちの間のディスコミュニケーションです。世代を血液型や星座のように分類してもできるのは占いだけです。自分は最近になって戦前から明治へと、当時の庶民の生活などに興味が出てきたのですが、そのかわり新しい時代の風潮には確かについていけなくなってきているのにいささか愕然としているような状態です。その一方で今と昭和前期にはいろいろ似たところがあることに興味を持たずにおれません。いろいろ比較するほどに、決定的な新しさを今の時代にあまり見いだせないのは年齢の問題があるのでしょうが、少し距離を置いて見てはいるのだと思います。
ところで日本でシングルマザーが一番多い年代は40代だと、何かで聞きました。正しいか確認していませんが、たぶんそうなのだろうという気がします。それは私にとっていわゆる「オタク」問題と大きく関係があると思います。

本は好きですが最近小説を読まなくなって久しく、少し自分なりに読めそうなものを探したりしてみました。

アメリカン・スクール (新潮文庫)

アメリカン・スクール (新潮文庫)

小島信夫は老年になってからの作品を古本屋で入手しつつ積読になっています。
たとえばこれらです。

うるわしき日々 (講談社文芸文庫)

うるわしき日々 (講談社文芸文庫)

各務原・名古屋・国立

各務原・名古屋・国立

残光

残光

しかし新潮文庫の「アメリカン・スクール」は初期作品がそろってしかも新刊書店の本でもかなり安く、「抱擁家族」しか読まないでこの作家がわかるとも思えないので、とりあえず入手しました。

同時代の作家として短編のうまい作家がいないかと思っていたら、芥川賞系でこのところ評価が高い絲山秋子の作品が冒頭の書き出しがうまいのでちょっと選んでみました。

最近文庫が出たばかりのは字数も少なめです。芥川賞受賞というのはこれだったか。

沖で待つ

沖で待つ

最初の2ページで気に入ったのがこれ。

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

ロック方面からタイトルを借りてくる作品もあって、「イッツ・オンリー・トーク」はたぶんキング・クリムゾンの曲のエイドリアン・ブリューが歌った歌詞からですね。

海外の古典がなにかないかと思ったところ、チェーホフは短編作家として群を抜いた存在らしいとのことでためしに一冊入手してみました。ものすごく短い作品が詰まっています。

チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集〈1〉 (新潮文庫)

チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集〈1〉 (新潮文庫)