戦後SFマンガ史など
ブログのエントリはたいてい記憶に頼って書くので正確さを保証していませんが、米沢さんの「戦後少女マンガ史」を読むといいと思います。
実は他の2冊は子ども時代に近くの図書館に置いてなくて、きちんと読んでいないのですが、「戦後SFマンガ史」を読むと冒頭に国際児童文学館の基礎となっている児童図書を寄贈している鳥越信さんの名前がちゃんと出てきたりするのでした。
- 作者: 米沢嘉博
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08/06
- メディア: 文庫
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鳥越信さんの児童文化研究は多岐にわたりますが、特におすすめしたいのはこの辺でしょうか。
- 作者: 鳥越信
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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戦前社会をあらためて見直している本がいろいろ出ていますが、高学歴兵士を題材にした切り口で新刊2冊。
- 作者: 高田里惠子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/07
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- 作者: 高田里惠子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08
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前者は出版不況でなければハードカバーになっているような本。参考文献一覧だけでも便利です。冒頭に丸山眞男一等兵の軍服写真が出てくるように、例の「希望は、戦争」がきっかけになって構想されているのかと思いますがまだ中途まで。
後者はプリマー新書なので「男の子に向かってオバサマが上から目線で語る」体裁をとっていますが、斎藤美奈子の「妊娠小説」みたいに「○○小説」の題でインパクトを与えることができないので妙に屈折したような題名になっています。そこは残念。
わたしもブログでエラソーに上から目線で啓蒙っぽいことをやっちゃってますがしょせんは好事家となっちゃうんですね。この本には後に小説家になる「ダメ兵士」たちがいろいろ出てくるのですが、ひとつだけ興味を惹いたのは戦時中のインテリが戦後語った証言の中に、兵役にはつかなかった内山基の言葉が唐突にちょっと脱線した感じで引用されていたところ。編集から外されたのは独身女性向けに自ら創刊した「新女苑」で、「少女の友」の編集は昭和20年9月まで務めました(GHQの検閲は素早くこの号では不明。10月から編集が変わって表紙もいきなりカラーに戻っていたと思います)。政界とパイプがあった実業之日本社の敏腕の編集者として、外務省などに協力を求めた記事が「少女の友」にも載っております。つまり早大卒のインテリ編集者として日本の中枢を担うエリートともパイプがあってそれなりに特権を持っていた編集者としての忸怩たる思いを吐露した発言でした。