文学館の役割とは

文学館と図書館とどんな違いがあるのかということについて、多くの参考資料へのリンクを含めてしっかりとまとめていただいたエントリがありますので、関心のある方はぜひご覧ください。大阪府立国際児童文学館の設立の経緯や、出版社などによる寄贈などについても記されています。

http://d.hatena.ne.jp/mtblanc/20080523


文学館は全国で580館ほどあるとのことですが、その多くは特定の作家や地域とつながっています。
文学の特定のジャンルの総合文学館として、俳句文学館日本現代詩歌文学館などがあるようです。
日本近代文学館と神奈川県立近代文学館は近代文学全般を扱っていることでよく知られていますが、
神奈川県立近代文学館はホームページを見ると神奈川という地域とのつながりも強調していることがわかります。

日本近代文学館については、ホームページにその成り立ちが記されています。
http://www.bungakukan.or.jp/

財団法人日本近代文学館は、1962年5月、散逸のはなはだしい近代文学関係の資料を収集・保存するため、文壇・学界・マスコミ関係の有志113名によって発起され、各界に文学ミュージアム設立の欠くべからざることを訴え、発起者たちの献身と各界からの絶大な援助によって、1967年4月竣工・開館したものです。この間、館の設立に参加した人はおよそ15,000名に達しています。開館後も引き続き、文壇・学界関係者の奉仕と、出版社・新聞社その他各方面からの強い協力によって維持運営されています。

実際のところ文学館は多くのコレクションの寄贈から成り立っており、散逸しやすい文学資料の収集と保存を担う点で大きな役割を担っているといえるでしょう。実際にこれらの文学館に行かれた方は図書館とは別の施設だということがわかるでしょう。

国際児童文学館については児童文学というジャンルに特化していますが、これは近代文学の重要な一部分でもあります。漫画や紙芝居も同様に捉えられるべきだと思いますが、これらは大阪とゆかりが深いものともいえます。いわゆる「近代文学」という言葉のイメージを超えて子ども文化の資料を収集してきたことはやはり特筆すべきことなのだと思います。