知事方針もPT案と変わらず

国際児童文学館の問題については宮本大人さんが孤軍奮闘しているといった状況で、わたしも別に著名人でも関係者でもなく匿名ではありますがその活動に賛同する利用者として役に立てないかと思って記事を書いてきましたが、知事方針もPT案と変わらず廃止との知らせが入ってきました。
これまで存在をアピールするために宣伝めいた記事も書きましたが、貴重な資料を収集保管する施設である以上、その価値は集客力とか経済効率などでは計れないものであり、またとりわけ高度な専門性を要求される事業であるがゆえに、記事によれば知事は財団についても一度廃止し必要だという声が出れば再構築すればいい、と歯切れの悪い言い方をされていますが、長い期間をかけて蓄積してきた目に見えない価値を持つものをを一度廃止して再構築することがいかに難しいものかと思わずにはいられません。立地の上でも国立民族学博物館と大阪日本民藝館が近くにあるような場所であり府立図書館に統合するよりもあの場所にあることでむしろ存在価値をアピールできるのにと思います。
Googleでニュースを見たりもしましたが、マスコミでもあまり積極的に取り上げてくれないなど、弱い立場にあります。図書館員や学芸員の方であれば統合の方向にほとんどメリットがないとわかってもらえるとは思うのですが、府民の声としての力を結びにくいところが苦しいところだと思います。しかし拙速な判断という感はどうしても否めません。

この前東京にある日本近代文学館に行ったら、明治時代に一世を風靡した博文館の雑誌『太陽』がWebオンライン版で出されるというチラシを見つけましたが、これは日本近代文学館が編集発行に携わり、神保町の古書街にある八木書店からCD-ROM版が発行されていました。Web版については紀伊国屋書店と小学館グループのネットアドバンスで取り扱っています。このような事業は文学館の重要な役割だと思っています。廃止の方向は今しばらく思いとどまっていただきたいと切に願います。