最近出た本より

ちょっとコメントする時間がなくなってしまったので本を載せるだけ先にしておきます。

戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌

戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌

手塚治虫とボク

手塚治虫とボク

コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル

コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル

でもこんなにたくさん出ると読む前に全部買うだけでも大変。どうしましょう。
最初の2冊は購入してざっと読みました。途中読み飛ばしているところもあるので書評できる段階ではないですが、結論にやや弱さを感じなくもありません。ただアメリカンコミックと少女マンガへのわかったふりと無理解に物申す本ということでそれだけでも意義があるでしょう。
といいつつちょっと書いてしまうと、後者はまごうかたなき論文です。ジェンダー論としては私自身が不勉強でその全体像を把握し切れていないし、ここではコメントは保留しますが、女性のジェンダー論研究者からの批判はあるのかもしれません。関係あるかどうかわかりませんが、著者が執筆中スランプに陥ったと告白しております。ただ男装の女性に対象をしぼることによって、(図らずも?)少女マンガのど真ん中にスポットが当たっているということ自体が少女マンガの成り立ちに迫るものとして大変興味深いと思われます。私も含めて男性の少女マンガファンでこのようなものがはたして書けるかどうか、私には到底無理だったでしょうから、ここから発展があることを期待します。前者についてはもう少しまとまった分量が必要なので別の機会に。


サントリー学芸賞受賞に批判噴出の竹内一郎氏の「手塚治虫=ストーリーマンガの起源 (講談社選書メチエ)」が先月ブックオフでようやく見つかったので何か書こうと思ったのですが、批判は出尽くしているかな。でも古本でも900円でした。これは本当に困ったというか批判を一通り読んで納得してしまったので正直言ってほめられるところが見つかりません。なにしろこの本自体に既存のマンガ論に対して批判めいたことを書いてあるから困りものです。自分が同レベルだったらどうしようと若干の不安があったのですが、これはつまるところ図解とかでもっともらしく見せて、書いている本人すらも含めて人を見た目でだましている本になってしまっているのではないでしょうか、マンガがどうこうという前に論文にするならこのようにしてはいけないという見本として論文作法の本と一緒に読むと役に立ちそうに思えます。私も思いつきばかり書いたりしてそうえらそうなことはいえませんので「論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス)」あたりが平易で思わず読み直しています(笑)

でもこの本の批判のあと、因果関係があるとも思い難いですが「人は見た目が9割 (新潮新書)」の売れ行きはさらに伸びたようですね。最近ついに100万部を突破して堂々たるベストセラーなのだそうですが、巷で特に話題になっている感じでもないし、ざっとネットから書評を探してもあんまりぱっとしない感じなんですが、これってテレビがネタにしているから?