女の読むマンガ

AERAとフリースタイルの2誌が女性の読むマンガの特集をしている。AERAの特集では今の女性が特に女性向け雑誌に限らず少年誌や青年誌の作品を読んでいるという当たり前の事実を記しているが、ジャンルをあらかじめ制限しないでこのようなことを記した特集が今までほとんどなかった。コミックマーケットの発展を思えば80年代に女性が少女マンガ離れを起こして少年誌を読むようになったらしいことは想像に難くない。男たちが少女マンガについて熱く語ることに嫌気を感じたのかどうかはわからないけど。
フリースタイルのほうは「少女漫画」とあえて漢字で漫画としている。やまだないとよしながふみ福田里香の3人による鼎談。よしながを除く二人は私とほぼ同年齢ぐらいだろう。30年間の漫画の歴史をこの3人でふり返るというのも最近ではあまり見られない特集だった。
フリースタイルはこれが第2号だけど読み応えのある記事が多かった。

私が24年組という言葉を耳にするのは「ぱふ」のようなマンガ情報誌からだろうと思うので高校の頃。大島弓子を初めて読んだのは大学入学後で、「綿の国星」のどこが傑作なのか最初はわからなかったが、「バナナブレッドのプディング」を読んでなるほどと思った。橋本治氏の「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」でも触れられているので、このへんは決して読解が難しいことはない。「バナナブレッドのプディング」は月刊セブンティーンに連載されていた当時の読者で話がわからないという評判があったと聞いたことがあるが、それは小説を読むスキルとそれほど違いはないように思う。