先週のルミネ10%offで買ったもの

山口昌男の本をまともに読んだのは実は初めてで、80年代は中村雄二郎をよく読んでいたが、マンガ史について知るには以下の上下巻は必須。

「敗者」の精神史〈上〉 (岩波現代文庫)

「敗者」の精神史〈上〉 (岩波現代文庫)

「敗者」の精神史 (下) (岩波現代文庫―学術)

「敗者」の精神史 (下) (岩波現代文庫―学術)

たしか山口氏の紹介で栗本慎一郎の「パンツをはいたサル」がカッパサイエンスから出て、
それに引き続いて登場したのが上野千鶴子氏のこのデビュー作だったような気がする。

目当ては巻末の解題が中心ですが。

熊野純彦氏は最近岩波新書でも西洋哲学史を2冊に分冊して出したが、これはすでに前世紀である20世紀のクラシックスを中心としたもの。全体を5つのテーマに分けてそれぞれに4冊を割り振り、うち一冊を日本の哲学者に割り当てているというちょっと変わった趣向が凝らされている。

現代哲学の名著―20世紀の20冊 (中公新書)

現代哲学の名著―20世紀の20冊 (中公新書)

稲葉先生がこの前のエントリでこの本を大陸寄り、日本寄りすぎると苦言を呈していたが、ヨーロッパの思想を日本の哲学者がどのように咀嚼して日本語の哲学として醸成させていこうとしたかという試みを探るものであるかぎり稲葉氏の批判は目次を見ただけでも勇み足というべきでしょう。ルーマンが選ばれたのは社会システム論にオートポイエーシス概念を導入して人文社会系の学問に広範な影響を及ぼした哲学的側面に注目したもので(ベルクソンドゥルーズと同じテーマに分類されているのに注意)、デリダの著作の選択においては脱構築という言葉がデリダにおける本来の概念から離れて伝わっているのを糺す意図があると思われる。

善の研究 <全注釈> (講談社学術文庫)

善の研究 <全注釈> (講談社学術文庫)

岩波現代文庫ではかつてなぜか講談社α文庫に収められていた永井均「マンガは哲学する」が一足先に版元を改めて新装版として出版されたが、このあとがきにはさらに追記があって、「マンガは哲学する」が永井氏自身の思索にとって画期的な展開を遂げるきっかけとなり、後にNHK出版から出した「西田幾多郎」もその延長線上で読まれるべきことがわかった。
マンガは哲学する (岩波現代文庫)

マンガは哲学する (岩波現代文庫)

両方ともすでに購入済みだったが、ではいっそ西田を少し読んでみようと思って注釈つきの一冊を選んだが、「善の研究」そのものにはそれほど強い興味がないので、副読本として海外に名前が通用するという大橋良介氏の以下の本を購入。

それにしてもこれだけ買って全部読みとおすのはかなり無謀なことは間違いない。つまみ読みで長期戦で読んでいけるだろうか。

やっと難しいのを離れてマンガのほうで。
最近大部の漫画評論ばかり読んでいたので、たまには軽めなマンガ紹介本ということで入手した。少女まんがものは久しぶり。

人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた

人生の大切なことはおおむね、マンガがおしえてくれた

イズミノユウキさんの「マンガをめくる冒険(下巻)」やlilmagさん編集の「少女と少年と大人のための漫画読本 2008-2009」は私家版で一般書店にはありませんが運よく両方とも労少なくして入手できました。マンガ関係は現在私家版や同人誌スタイルのほうが質の良いものがでているのかもしれません。それはちょっと入手も面倒でさびしいんじゃないかと思わずにいられませんが。