『このマンガがすごい!2009』を読んだ

ここ2、3年ほどまともにいまのマンガを読んでいないのでこの手の回顧本は重宝ではあります。
オトコ編とオンナ編が一冊になったので買ってもいいかという気にはなります。

オトコ編をみると、少年ジャンプがらみがまったく絡んでいないのが気になりました。ランキングに参加しているメンバーの年齢平均がとても気になりますが、子どもがもうマンガを読まなくなっているのかも、という不吉な予感がします。

オンナ編も「りぼん」が絡まないとか高齢化が確実に進んでいる感じです。
末次由紀の復活は喜ばしい限りですが読むきっかけを得ないままでいます。早めに読み始めないと長編はちゃんと読まない傾向があるので機会を逸するかも。くらもちふさこが2位に入るというのは少女漫画全体としてやや停滞している現れにも思えてしまいます。
今年から一時購読がとぎれた『フラワーズ』を再購読し始めました。逆に『別コミ』の購読はとぎれていますが来年は元に戻れるのでしょうか。

雑誌で読んだのを除き、今年のリストを見て思い出した既購入の本は以下の二冊。

結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日

結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日

センネン画報

センネン画報

羽柴麻央ザ・マーガレットに復活して新しいコミックスが出たのでそれも購入しています。
あとはオノ・ナツメを何か読んでみようと思ってあるところのおすすめを読んでみました。

情報収集不足で樹村みのりの新作をキャッチできなかったのは痛恨。

やっぱりあえて『りぼん』を読んで応援するくらいのことが起こらないと新人に関してはわからないですね。

私がこの人はブレイクするかもと思って当たった最後が野口ともこで、たまたま宙出版かどこかの女性向きエロ系雑誌のサンプルに載っていたマンガがオバカ系でとても面白かったのですがもう4年くらい前のことでしょうか。
嫁姑モノの庭りかが面白いと言うのも聞いていて樹村みのりはそのへんの雑誌に出没することがあったのですが、とにかく買ってもすぐ処分しないと積んでひどいことになるので女性雑誌のサンプリングもやめています。

余談ですが、座談会の中でちょっとびっくりしたのは、発言の中に、「戦時中のほんわか家族もの」、と言う言葉が出てきて、そんないつ誰が書いたどんなマンガがあるんだ、と思わずのけぞってしまったこと。
それは戦争を全く描けていないということとほぼ同義なのですが、ある世代から下にとってはもしかしてそんなことすらわからないのかと愕然としました(一応申し添えますが個人攻撃のつもりはありません)。
作品に即して言えば第二次大戦下になるでしょうが戦時中はものが著しく不足して主食も配給制でしか手に入らず燃料不足で暖もとるのが大変になり衛生状態も悪化してもちろん治安も悪くなるので、家庭は安らぎの場ではあれ、ほんわかという状態とはほど遠いのですが、三丁目の夕日(映画みていません)みたいなイメージで語っているのでしょうか、それはちょっと困ると思うのでした。