オタク世代はマンガの黄金時代を体験していない

私はマンガがつまらなくなったと言われはじめた70年代末から本格的にマンガを読み始めたので自分が面白いと思ったものをただひたすら読んできた。しかし物心ついた頃からマンガの載った雑誌を読んではいるのでマンガの黄金時代がいつかと聞かれたらはっきりと昭和30年代前半と答えるだろう。まだ私は生まれてもいない。最近になって昔のマンガを読んではその感を強くしているが、その面白さを語る者は皆年をとりいまや語る者も少なくなった。だから本もなかなか手に入らない。そして、そこから先は「ぼくら語り」の時代なのだ。オタクとはそのような時代を象徴する存在である。避けがたく、そう今も。