大阪府立国際児童文学館廃止・移転問題について

このところ感情的に書いてしまったところがあって良くなかったと反省しています。ブロゴスフィアが感情的な反発の応酬を増幅させてしまうのをどう押しとどめていけばよいのでしょうか、私にもよくわかりません。
そんなこともあって大阪府立国際児童文学館の問題についても語りにくくなってしまいましたが、宮本大人さんなどがレポートを送っているのでご覧下さい。
わたしは一応民間企業に勤務していて思うのですが、商売をしていく上でブランドを構築することの大切さと難しさというものを感じています。ものづくりをいくら頑張ってもそれがブランドとして評価されなければそれは安定した利益を生まないのです。
大阪府立国際児童文学館は普通の人にとっては知名度はないのかも知れませんが、児童文化関係者にとっては国際的にもとても大きなブランドといっていいものだと思っています。児童文化の領域は国際交流がとても盛んに行われており、その名をなくしてしまうことは単純に数値で表せない損失になってしまう、日本の国際的地位にもかかわることだろうと思います。残念ながら民間企業といえどもせっかく構築したブランドを簡単に手放して顧客から見放されるということを私自身が見てきました。日本の企業がこの21世紀のグローバリゼーションを生き残るためには信頼に結びついたブランドを維持させて発展させていくことがとても重要なのです。そのためには過去の日本をきちんと評価してその良いところをアピールしていくことが必要であり、それを子孫に伝えることが子供たちや若者たちにとってもより良い環境を育むことになるというのが私の信ずるところです。

ブランドマーケティングに関しては石井淳蔵氏などの論考があります。マーケティングの領域ではむしろ日本人のものに良質のものがあるのではないでしょうか。それはおそらく明治以前から続く日本の商道徳からの伝統があるからです。
今回の件は大阪商人の知恵が試されている問題なのではないのでしょうか。


ブランド―価値の創造 (岩波新書)

ブランド―価値の創造 (岩波新書)

ゼミナール マーケティング入門

ゼミナール マーケティング入門