15日記す

梅田氏のエントリが炎上したことはもうすでに収まった感もありますが、そのあとも水村氏の本について仲俣暁生氏のエントリを読んで参考にしていました。ところがオバマとパワーズに関するエントリでは梅田氏について「梅田さんは文字通り、平成の時代における福沢諭吉であろうとしたのだ。」とまで言っています。擁護をしようとしている必要もないかのようにむしろそのエントリを積極的に称賛しているのは、仲俣氏が言葉による表現を扱う批評家であることを考えると正直困惑を隠せません。梅田氏が福沢諭吉のごとき知識人たろうとしているのだとまでいうのならば、今回の騒動全体に対してもっと突っ込んで考察すべきところなのではないかと思いますが。

あと、注釈として「パワーズの作家になる前の仕事はプログラマであり、したがって彼は「言語」というものにきわめて自覚的である。」と書いてあるのも何を言いたいのかわからない文章です。私もプログラマという職業をしていて、いまはコーディングはほとんどしませんけど、「言語」と言って具体的に何を指すのかがそもそもわからなくなるような注釈になってしまっており(まず人工言語自然言語の差があるのですが)、さらに困惑するのでした。