モテと煩悩
今年も最後になりました。開催中のコミケには行きませんでした。
こちらのブログで採り上げようかどうか迷ったのですが、個人的にもけっこうきついテーマなんで、今年のうちに書いてしまおうかと。
- 作者: 赤坂真理
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: 新書
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非モテの人はこの本を読むと鬱になるかもしれませんので念のため。
もうすでに錚々たる有名ブロガーたちが採り上げていましたのでもう年も越すことだし手元に持ってきたはずの本が見つからないので
私の感想はさらりと書いてしまいますが、
・女にとっての一大事は恋愛から結婚のラインよりもセックスから出産のライン
いろいろ考えたのですが、この本の一番のキーワードは「出産」だと思ったりしました。
オトメチック少女マンガのように恋が成就してハッピーエンドというのはお話としては別になにも不自然はないんですが(そもそも性の入り込む余地はない)、
やおいからBLまでが生殖に結びつかない性をとりあげているのはちょうど裏返しになる、ということになるんじゃないでしょうか。
近代家族の理念と関連してロマンチック・ラブ・イデオロギーというものがありますが、そもそも子どもを対象としていたマンガのなかで
少女マンガが母物から離れて行く過程にホラーマンガとかロマンチック・コメディーがあって中高生向けのオトメチックもあったって思うのですが、70年代の少女マンガブームというものはやはり大人がマンガを読むという流れで評価されていったものですね。
プラトニック・ラブとロマンチック・ラブの違いは説明するまでもありませんが一応以下参照。
ロマンチック・ラブ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%96
それで単純な言い方をすると、日本人ってアメリカ人なんかと比べるとベタにロマンチック・ラブとかにハマれないんじゃないのかな、と常々思っていたのです。
話が飛びますが、日本人のうちキリスト教徒の割合は1%にも満たないそうで、逆におとなりの韓国は人口の30%近くに達してアジアではフィリピンに次ぐのだそうです。これほど両極端なのか、と思うわけで、キリスト教とロマンチック・ラブとの関係は私も調べたりしていないので単純に結びつけると間違えるかもしれませんけど。
ここから先はググれば上位に出てくる社会学のページからのコピーですが、私などは思わず納得してしまうところがあります。
落合恵美子によると、「近代家族」は、つぎのような特徴をもつという。
(1)家内領域と公共領域の分離――そもそも家族がプライベートな領域として成立したのは近代になってから。近代市場の成立とともに、市場に参加者である個人を供給する装置として分離して位置づけられるようになった。
(2)家族成員相互の強い情緒的関係――家族成員は強い情緒的なきずなで結ばれている。家族愛が特権的に優先されるのは近代家族特有の現象。その始発点に位置する恋愛結婚もまた近代の産物である。これを「近代ロマンチックラブ・イデオロギー」という。
(3)子供中心主義――家族のもっとも基本的な機能は子どもの社会化にあるとする考え方。
(4)男は公共領域・女は家内領域という性別分業――家族成員は性別により異なる役割をもつ。とりわけ家事労働は家族愛のあらわれとしてとらえられる。
(5)家族の集団性の強化――家族は開かれたネットワークであることをやめて集団としてのまとまりを強める。
(6)社交の衰退――家族は公共領域からひきこもる。
(7)非親族の排除――家族は親族から構成されるとする。非血縁者の排除は近代家族特有の現象。
以上のような家族像を普遍的なもの・規範的なものと錯覚すると、離婚の増加や共働きなどの現象が「家族崩壊」にみえてしまう。しかし、これらの現象はむしろ「脱〈近代家族〉化」ととらえた方が理にかなっている。つまり〈近代家族〉がスタンダードとなった時代は終わりつつある。新しい家族への過渡的段階として現代家族をとらえるべきだろう。
以上年を越しそうなのでちょっと深入りは避けることにしました。フェミニズムが見つけた問題ってたぶんそれまでの宗教にはなかったんだろうとは思います。あと著者の赤坂さんは私と年が近いので、私ぐらいの年代はけっこう同じようなことを考えているのかもしれません。
今青春を謳歌している若い人はあまり考えなくてもうまくいくんじゃないかという感じもしますが、私より一つ下の世代とかになると、まだ余裕があるので次の本のような感じなんでしょうか。
- 作者: 能町みね子
- 出版社/メーカー: ブックマン社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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