突発的に渋谷に行ってきました

今回の内容はいきなりこれまでの流れと全く脈絡がないのですが、Mixiでこっそり書こうかなどと逡巡しつつ結局ここに書いてみることにしました。

昨日は七夕でしたが、大昔勝手に好きになっていまだに未練のある女性を想いつつ、久しぶりに渋谷に出てみたのでした。ブックファースト渋谷店の「文化系書店Life堂」と、吉田アミさんの「サマースプリング」出版記念イベントを見に行きました。はてなダイアリーには吉田さんも大友良英さんも書いているわけですが、自分もブログを始めてみたらなんかどんどんキチガイ系にいってるよなあと困惑しつつ、恥ずかしくて読みにいけないおまえいったい何歳なんだよみたいなこじらせ方をしていたわけですが、佐々木敦さんがラジオ番組のLifeで話すのを聞いて、やっぱりトークを聞くのって楽しいと思い、吉田さんのCDも聴いたことがなかったのですが突発的にちょっと見に行こうという気分になったというわけです。
実のところ学生時代は渋谷の近くにいたのに極端なヒッキーである私は東京のイベントスペースとか少人数のイベントって全く行ったことがなくって、それどころかCDは毎月のように買っていたのにコンサートやライブにすら生まれてこの方両手で数える程しか行っていないもので、ちょうどLifeではオヤジーズと呼ばれているサブパーソナリティの方々とほぼ同年代にあたる自分の行動に戸惑いを覚えつつ、考えてみれば過去最後に見に行ったコンサートは大友良英ONJOのOut To Lunch発売記念のライブだったことを思い出したのでした。

イベントのほうは装画を担当したタナカカツキさんがさっそく観客のツボを突いたネタで会場を爆笑に誘い、飄々としゃべりながらさらっと鋭い発言をする佐々木さんとの組み合わせでちょうどいい按配でありました。大人がバリバリ仕事しているなあという感じで我が身を振り返りちょっとうろたえまして、イベントのあとのパーティをのぞいてみる度胸はありませんでした。会場で「サマースプリング」とAsian BeautyのCDを購入したばかりでまだ読んでいませんが、配布された資料には「サマースプリング」に描かれた1989年当時の宝島、同年に出たトールモー・ハウゲンという作家の児童小説と、あとその翌年に出ている冬野さほの「うそつきサマー」が載っておりまして、この時期の少女まんがに深くハマっていた自分はここでも時の流れの早さにうろたえてしまいました。いやまったく、90年代のうちにまとまった文章を書いておこうと思っていたのに。これは自分にとってもなんとかしなくっちゃという大きな宿題として残されています。

パリペキン・レコードの話題がけっこう大きかったのですが、私は不思議と今までその存在自体を知らなくて、とにかく90年代にはいって就職はしたものの右も左もわからぬままという時代に突入してしまって渋谷のほうの情報はすっかりわからなくなっていた90年代の中頃、でもブックファーストに行ったらたまたまnuと言う雑誌の2号の表紙に佐々木敦、宇川直弘の名前が大きく載っており、冒頭からパリペキンの話題が載っておりました。佐々木さんの著作には載っているのでしょうか。一階の「文化系書店Life堂」には出演者おすすめの本を紹介する小冊子が置いてあって、今さらながら「何のために働くか」などを買ってみました。文庫なので文化系をこじらせた若い人が手軽に読めていい本ではないかと思います。

帰りの電車内では以前入手していたユリイカ6月臨時増刊の「腐女子マンガ大系」を読んだりしていましたが、BLってどんなマンガなのかって興味がある向きには最初に載っている対談からなかなか面白く読めて好特集という感じがします。同じユリイカの7月号は石井桃子の特集で、ブックファーストの店頭で見てこれは買うしかないなあと思いこれもパラパラとめくっていたら、イベントで佐々木さんが吉田さんの著作とからめて引き合いに出していた川上未映子さんの詩が載っていまして、この詩がまたなかなかすごいのですが、イベントで聴いていたときには「カワカミミエコのワタクシリツ・イン・ハーが芥川賞候補になった」と聞いたのをメモって「私立 in her」?ってなんだろう?などと思っていたのですが、その日のうちに川上未映子と判明して今調べてみたら、『わたくし率 イン 歯ー、または世界』と言うタイトルだと知りました。川上未映子さんってユリイカでデビューしたんじゃなかったかな、と思ったのですが歌手デビューを果たしているんですね。いやそういえば「未映子」って見たことがあります。

ユリイカはもうすぐ大友良英特集を出すとのことで思わずユリイカ漬けの一日になっていたのですが、石井桃子さんの特集も、最初の対談をちょっと読んでいたらいきなり今江さんの発言の中からひょんと初山滋の名前が出てきて、さらには戦後すぐに書かれた「ノンちゃん雲に乗る」のカバーのなかに松本かつぢのクルミちゃんの絵柄を見つけたりして(本人が描いたものかどうか不明)、ピタゴラ装置を転がるビー玉のように目まぐるしく様々な情報が次々とリンクしていくなかで頭くらくらとしてしまった次第です。