海外での日本のマンガなど

マンガ学会の二日目は海外での日本マンガ事情を紹介したのですが、ヨーロッパやアジアの紹介のほうでは将来に悲観的という言葉が出てきてギョッとしました。あまり楽観的になれないなどと言わずにズバリと言葉が出てきたからです。実のところ日本マンガが定着している地域ではマンガ世代も日本のオタクのように3世代くらいに分けられるようなので、日本人以上に輸入文化としてシビアに見ていることの現れなのかもしれませんが、ひとつ違うんじゃないかと思ったのはマンガって古典がそれほどちゃんと読まれているわけではないので、今の方向性では思いつかないような形の展開があるのではないかと。そう思うのはポピュラー音楽の歴史を考えればマンガ産業の世界進出はまだビバップが海外に浸透し始めたくらいの段階なんじゃないかというところのような気がしたのでした。
一方でアメリカへの進出はvizとTOKYOPOPの奮闘ぶりがひしひしと伝わってきて、こちらは悲観なんて気分とはまるで無縁でひたすら売るための仕組みづくりから始めており、ゆえにたとえばJ-POPをただ海外仕様でリリースすれば世界に通用すると思うような勘違いのしようがないので、問題は営業がいかに大事かということと思われます。