ペットボトル症候群と新潟のマンガ学会大会

7月1日、2日と日本マンガ学会第6回大会が新潟で開かれて、私も生まれてこのかた見たことのない日本海を見たいがために参加したんですが、出かける前に睡眠がとれなかったのが災いしたのか、月曜日に思わぬ疲れが噴き出して寝込んでおりました。新幹線ときに乗ったのもなんと今回初めて。土日きっぷは特急に5度乗ったので高速バスとの差分は元が取れたのかも。
大会は土曜日の午後から始まるのですが、土曜日の早朝4時に出発、大宮経由で新潟から新発田に行って朝から蕗谷虹児記念館に行って2004年に新潟県立美術館で開催された展覧会図録を入手し、日曜日の早朝にはまだ皆さん眠っているうちに日本海を見に行って、これまで3度も遅刻して欠席してしまってうしろめたかったのですが総会にも今回は出席しました。けっこう強行的なスケジュールを設定して睡眠不足がたたったのと、このところペットボトルが手放せず暴飲で体を痛めつけていたような気もします。帰り東京まで乗るのを誤って上野で降りたりとけっこうぼろぼろだったのかも。お土産のお菓子は日本三大銘菓の一「越の雪」を駅ビルで探し回り新幹線の出発時刻までに入手できました。日本酒は悩んだ結果買わず、甘海老を賞味するだけの夕食の時間は残念ながら取れませんでした。

出発から天気がいまひとつで新潟の会場ですでに汗臭いなと気になっていたので、スポーツ飲料だけでもミネラルが失われたり栄養が偏る原因になるかも思ったり、生活の改善をもう少し考えないといけないなと悩んでしまいましたが、新潟は朝の7時台でも日曜日には中心街周辺ではほとんどの店がまだ開いておらず、外で朝食をとれなかったのでそのへんが巨大な地方都市と感じるとともに東京の生活環境もむしろ異常かもと思われました。
今回は、大会の運営に苦労がしのばれました。合宿の開催を試みたり、総会を二日目の午前中に持ってきたりして、食事処が会場の近くにあまり見つからなかったのは東京者の私には不便に感じましたが、大会の構成も最後にパチスロマンガ紹介のセッションで白夜書房の名編集者として知られる末井昭さんと「漫画パチスロパニック7」編集長を招いて、今回は一般参加者もけっこう来ていた感じがしましたが、時々笑いを誘いつついい塩梅で締めを飾った感がありました。雑誌にはふろくの長い歴史があるんですが、現在ふろくの最先端は白夜書房漫画誌が担っていた、というのはけっこう衝撃的でした。
大会の様子は購読会員になると会誌で大会特集号が出ますのでここではあまり書きませんが(最近書く時間もとりにくく今回もすでに夜遅いですので)、大衆的文化におけるジェネレーションギャップの問題を世代論の不毛に陥ることなくいかに埋めていくかということは考えさせられました。
コミケにおけるキャプ翼ものの席巻、高河ゆんの登場と一大ブームについては私とその同世代が証言してひとつきちんとまとめる必要があるのかもしれません。
ロック世代とテクノ及びヒップホップ世代との間の断絶と同様のキャズムがマンガにもあるとは思ってるんですね。
よしもとばななが登場したとき大島弓子によくなぞらえていて、私は全然違う、大島弓子じゃなくて高河ゆんなんだ、と思ったものですがそれを説明するのは骨が折れるので(ちなみに大塚英志による評価はけっこう鋭いというか勘はいいんですけど)、ここらへんは昭和39年生まれ組問題として提示はしておきたいところです。また疲れが残りそうなのでこのへんで。

花嫁人形―抒情詩画集

花嫁人形―抒情詩画集

(参考:松岡正剛の千夜千冊『花嫁人形』蕗谷虹児

蕗谷虹児―思い出の名作絵本 (らんぷの本)

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市販のものとしてはコンパクトにまとまってお勧めでは。