最近タイトルが思い浮かばないけど

はじめて学ぶ日本の絵本史3巻入手。今月はこれ以上本は買えないが、労作。児童文学学会のほうはすでに1962年設立で30年以上の歴史があるというので、絵本学会の設立自体が1997年と思った以上に最近だった分なのか内容はとても充実している。図書館で借りて済まそうかとも思ったが借りた本を期限までに読む余裕がない。

映画学会というのも聞いたことがないなと思っていたら昨年日本映画学会が設立されたようだ。日本アニメーション学会が1998年、日本マンガ学会が2001年というふうにごく最近。日本映像学会は1974年だった。
私は資料を保存する目的であればそれは歓迎すべきだと思っているが、素人が学会に入れるとは思っていなくて、あすなひろし研究の論文を見てほしいといわれて年表をちょっと手伝ったのがきっかけでなんとなくマンガ学会に加入してみて、結局今でも参加している。まだまだ親睦会という感じで私のようにここで手塚先生論はおなかいっぱいとか言っているのはかなりおかしな奴だろうし(でも戦前の漫画についての証言を得られる機会はほんとうに少なくなってきたというのに。60年代の名作も現状では良く探さないと読めないし)、一介のしがない会社員はなんとなくまだちょっと居心地が悪いが、ここ最近ようやく本格的な研究の機運が高まってきたような気がするのでもう少しの間はなんとかかなり苦しいんですが本職と両立させたいところ。なんか最近そろそろ気鋭の若手が続々出てくるんじゃないかと思い最近は変に気が抜けてしまって困っている。職場にはマンガ読みであることも言っていないがマンガ関係の職に転職できるわけでもないだろうしもうひとふん張りなんとかしたい。

そこで戦時中アニメにも関わっていた杉浦茂先生の貴重な証言。昭和になるまでポンチ絵と言われ漫画とは呼ばれていなかったとか、戦前の女流作家が長谷川町子以前に5人の名前が紹介されていたりと、必読の資料なのでとにかく読んでみてください。松本かつぢも戦時中アニメを作ったらしいのですがこの本にはまったく出てこないというのも興味深い。

杉浦茂―自伝と回想

杉浦茂―自伝と回想

前に紹介した本で、1941(昭和16)年に中国で制作されたアジアで初の長編アニメーション「鉄扇公主」が当時の日本でも劇映画をしのぐ人気を博していたという論文も出てきて(手塚に影響を与えたことはすでに公式に記されている)、戦前と戦後の連続性に関する謎を知る意味でも気になるところなのでした。