自転車に乗って[lacoアーカイブズ]

昔は自転車で本屋をはしごしたことを思い出したので、ちょっと書いてみます。
子供の頃から父親の方針もあって小学館の学習雑誌を購読していた私は、5年生で購読を終えてしまったあと、当時の少年誌にはちょっと手が出せず(当時の私にとってそれは過激だった)、もっぱら推理小説を読んで、小説のトリックとストーリーを考える(登場人物全員が犯人で全員殺されるにはどういう展開が考えられるか、とか)生活を送っていたのですが、里帰りをきっかけに当時人気のあった少年チャンピオンを買ってもらいました。そのなかに「青い空を、白い雲がかけてった」の中の「童話」という一編があって、それはチャンピオンという雑誌の中でもものすごく印象に残る作品でした。ラストシーンが見開きいっぱいの金魚の花という絵で、あと途中のギャグで、ページの上に作者の手が原寸大で書き込まれるシーンがあり、当時の本宮調主流の絵柄からはまったく違う細い線で、この出会いがなければマンガ読みに戻らなかったかもしれないのですが、そのあと八王子の古本屋にチャンピオンのバックナンバーがあるのを見つけて、掲載号を見つけに行った(不定期掲載のシリーズで連載でなかったため)のがきっかけでした。その後ビッグコミックスピリッツが創刊されてこれも最初のうちは買えなかったのですが、買うようになってから「めぞん一刻」のオリジナルカラーが読みたくなって、古本を探し回って、高円寺で見つけてもともと200円の本を2000円で買うような感じでオタク道にはまっていったのでした。中学の頃は女の子にもてて品行方正な優等生だったので、離れた町の小さな本屋でこっそりエロ雑誌を読むようなガキでしたが、はしごして一冊の本を分割立ち読みしたり、金額的にちょっと手が出せない「ロック・マガジン」というロック雑誌がおいてあって立ち読みしやすい店に遠征したり、ということをやっていたのでした。マンガの古雑誌を扱う古本屋が少なかったこともあって、大学に入ってからも別マやデラックスマーガレットザ・マーガレットのバックナンバーを探しまわって一日過ごすようなことがありました。そういう青年期を過ごしてきたので、今こんなんなってます。