はてなの効用

妄想といえば私がトラックバックをするとされた人が不幸になるという妄想もあって、トラックバックには臆病になっているのですが、はてなの場合以心伝心みたいなものが可能なんじゃないかって期待もあります。あんまり密につながると危うそうなのでリンク元表示は隠しましたが。
歌田明弘さんのブログが最近更新されてなかなか面白いので、はてなブックマークしましたが、あらためてここで単純にリンクしておきます。

はてなダイアリーがテロを撲滅する?
http://blog.a-utada.com/chikyu/2005/07/post_b81e.html

 これはテロにかぎらない。性的な妄想などでも同じだろう。性的な妄想を現実に実行したときに、その対象にされた人間が何をどう考えどう思うか、そうしたことを顧みなければ、妄想に歯止めがかかることはないかもしれない。インターネットは、過激な思想やニッチな欲望を共有し理解し、それを育む。では、インターネットは危険な道具なのか。
 いやいや「リンク」というのはそうした思想や欲望の雪だるま現象を防ぐ働きもするはずだ、と言っているアメリカの憲法学者がいる。
 どうすればいいのかというと、強制的に、対立する考えのサイトにリンクを張るルールにすればいい、というのだ。もっと効果的な方法は、党派的なサイトを見ていたら、反対の考えのサイトに無理やり飛ばすなり、ページが開くようにすればいい。
 キャス・サンスティーンという憲法学者の『インターネットは民主主義の敵か』は、まじめで堅い本なんだけど、こうした指摘をしていて、これには思わず笑ってしまった。冗談でも何でもなく、まじめにこうした唖然とするようなことを書くとは、なかなかスゴイ学者だ。
 サンスティーンのこの本は、'01年にアメリカで出版されると、大反響を引き起こしたそうだけれど、それも当然かもしれない。もちろん、これを現実にやれば、そうとうの反発があるだろう。でもまあ、イスラム過激派のサイトを見ていたら、突然、嘆き悲しむテロの犠牲者のサイトが立ち上がる、などという仕組みになっていたら、かなり強烈だ。あるいは、アダルト・サイトを覗いていたら、教育基本法を議論している自民党のサイト(などというのがあるのかどうか知らないけれど)に飛ぶなどというのもおもしろいかもしれない。
 過激派やアダルト・サイトが、自発的にこうした仕組みを作ることは考えにくい。だから、ほかの人間が仕掛けをつくる、つまり一種のハッキングが必要だろう。でも技術的には、「頭を冷やす」ためのサイトを、ポップアップ広告が立ち上がるのと同じように立ち上がらせることは可能ではないか。
 もっとも、サンスティーンは、こうしたアイデアを披露したくて本を書いたわけではない。
 この憲法学者は、インターネットが社会の分極化をもたらし、それが民主主義にとって危険なことになりかねない、と主張している。つまり、インターネットによって、思想や妄想が頭のなかで雪だるま現象を起こしやすいことを憂いているわけだ。

ちょっと引用長すぎですが(要するに原文を読んでください)、私がはてなで書き続けている理由として、自分の書いていることがいろいろなリンクによって中和されることを期待しているということはあります。ダイアリー自体よりも興味深いページへのブックマークや、この人はものをよく考えていると思ったらアンテナに入れてしまうなんてこともしていますが、アンテナを自分のダイアリーのページから外したほうがいいのか迷ったりしながらも(むしろブックマークをダイアリーのページに入れるべきなんだろう)試行錯誤しています。
Amazonに本があったのでリンクしておきます。

インターネットは民主主義の敵か

インターネットは民主主義の敵か

ちょっと考えが足りなかったので付け加えておくと、私のアンテナやブックマークはあくまで私自身の関心に沿ったものであることは逃れられないので、リンクがランダムにつながるというのがミソといえるでしょう。この本やサイバーカスケードに関してはすでにけっこう議論がされているようで、くじ引きを使う民主主義の議論などもこのへんと関連するんでしょうか。