古本屋に本を売る[lacoアーカイブズ]

家にある蔵書が膨らみすぎて日記を更新している場合ではないと、整理を試みるが、遅々として進まない。それでもなんか気の迷いで買ったような本もけっこうあるので、40冊ほど近くの古本屋に売りに行ったら、全部で1000円という査定だった。バイトの店員がその場で査定するので、本の内容など関係なく、物質としての本に値をつけるようなものである。つまり新古書店での買取においては、本はコモディティに限りなく近い。
これから何千冊かを整理しようとしているが、たとえば30円くらいで売った本がもし定価の半額で新古書店の店頭で売られるのだとしたら、やはり新古書店に売るのはためらわれるし買うのもなんか嫌だ。とはいえ新古書店というのは所詮はバブルの産物で、出版にかかわるシステムが今後変わっていくならばやがては消えていく運命にあるとは思うのだけれど。

私がコンピュータ業界で仕事をしようと思ったのは、手作業などを自動化することによって、余暇が増え、その分人間が知的活動に費やす時間が増えることを期待していたからである。しかしながら、私が思っていたのとは逆で、効率化して得られた余裕をさらに生産の向上に割り当てるしか能がなくなっていくという泥沼に入り込んだ感がある。コモディティ化により最後には低価格戦略に帰着して価格競争の泥沼にはまりこむというのは、なんだかかつてのバブル現象と表裏の関係にあるように思う。