iPodは破壊的イノベーションなのか?

さて、ディスクドライブといえば、いち早くデジカメをコンシューマ市場に投入したAppleiPodの成功によってQuickTakeの教訓を生かしたのかもしれません。私はiPod miniについてはディスク容量が中途半端なような気がしたのですが、スティーブ・ジョブスは迷わず先攻の姿勢に出ていますね。戦略にブレがないと思います。

ただここで私としては気をつけたいことがあります。ディスクドライブのようなもの(部品)は破壊的技術のイノベーションによってコモディティ化するように思えますが、QV-100やiPodは破壊的技術によるイノベーションと言ってしまってよいのかちょっと疑問があります。デジカメやミュージックプレイヤーはそもそもコモディティではなくマーチャンダイズであって、技術のレベルではコモディティ化の影響をうけますが、商品性としてはデザインやサービスがものを言うのじゃないかと思います。やはりiTunesはすぐれたサービスだしiPod miniはカラーリングによってiPodと差別化されています。

イノベーションのジレンマ」を読んでもしクリステンセン教授を神様のように思ってしまうとすればそれは技術者の陥る技術信仰の罠になる危うさがあるように思われます。読んで目から鱗が落ちるような本は批評的に読む姿勢を持ったほうがいいかなと思っています。

ここで論ぜられていることについてなぜ目から鱗が落ちるのか考えてみると、ディスクドライブについてはスペックを落として小型化することが破壊的技術のようにみえる、それって「ムーアの法則」あたりを前提にしてるんじゃない?というか、実は今まで私の話してきたことがそういう言い方になっているようですが、さすがにそんな単純な話ではないはずで、これは「イノベーションのジレンマ」を実際に読んだ人が社内などでいろいろと意見交換をしたほうがいいのでしょうね。

というのもgoogleで検索すると例えばこんなコンテンツが見つかりました。
イノベーションのジレンマ以前の問題…
http://www.randdmanagement.com/c_shuju/sh_070.htm

 このような姑息な姿勢に憤慨するスタッフも多い。
 しかし、このような姿勢に転換させた原因は、スタッフにもある。
 クリステンセンの本を必読とみなしたのは、もともとはスタッフの方だ。一見、正当そうだが、直面する課題に関する社内議論を避け、有名論文購読を優先したともいえる。
 この正月休みも様々な「勉強」を推奨したようだ。現実の問題に立ち向かうより、知識を増やした方が、解決につながると考えているのだろう。
 このような非実践的主義的な行動を推奨する限り、幹部の意思決定の質は高まることはあるまい。

あちゃー!ごめんなさいごめんなさい。