アニメについてもう一度考えてみよう
- 作者: 山崎敬之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/05/19
- メディア: 新書
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
未読。
ちょっとアニソンの話題を出したりしましたが、僕ぐらいの世代がよく見ていたアニメに関する裏話のようです。産業論とまでは行かないまでもきわめて貴重な資料なのでは。これから読んでみます。
- 作者: 烏賀陽弘道
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: 新書
- 購入: 8人 クリック: 153回
- この商品を含むブログ (99件) を見る
「Jポップとは何か―巨大化する音楽産業」は「マンガ産業論」に勝るとも劣らない産業論として必読であることをまずあらためて強調しておきたいと思います。
若干の異論があるのですが、異論は、作家の匿名化現象を商品化と考える根拠の薄弱性にあります。表現欲の高まりは認めても、人間関係に対する自信の喪失(『ダメ』感情)が匿名化を進める傾向があるのではないかという仮説です*1。
著者は例えばカーディガンズについて、本国スウェーデンでは数万部しか売れていないのに日本では40万枚ヒットして、それは女子高生マーケティング/プロモーションによる「飛び道具」と書かれていますが、実はCardigansは世界的にヒットしたんですね。アバやビョークほどでないにしても。日本ではおかしなプロモーションをしなければ洋楽は売れない、と言うことなのでしょうか?*2
これは「産業論」が数値によって判断する罠じゃないかと思います。著者が洋楽にコンプレックスを持っている分が図らずとも現れているのではないか。
私はあまり興味ないのですがピチカートファイブの90年代は世界進出でした。Zappaと同じ知名度があったそうですけど。1998年をピークにバブルがはじけたのは私などはこれでまともに戻る、と言う感覚でしたね。そして2000年にはアメリカでドット・コム・バブルがはじけている。日本だけでなく世界的に音楽ソフトの受難となる。
90年代のアメリカで大ヒットしたのはニューカントリーで、ガース・ブルックスなど1000万枚も売れたと言いますが、日本ではどうでしょう?Utadaがアメリカで売れないのと同じことなのでしょう?
日本の音楽がアメリカで売れないのはプロモーションの誤りと言葉の壁でしょう。大友良英氏や藤井郷子さんの活躍はJ-Popとは無縁ですが、世界的にきわめて高く評価されているわけで、大衆音楽はそう易々と国境を越えたりはしないものです。*3
というのがオリジナルで書いたものですが、その後あまり自分なりに考えてはいませんでした。そのうち何か書く機会ができるかもしれないのでとりあえずそのままにしておきます。
*1:これは私のほうにもあまり根拠らしいものがなくて弱いですね
*2:ただしバズ・マーケティング自体は確かにインターネット時代になってますます盛んになっているでしょう
*3:ここ数年でグローバリゼーションによる何らかの変化が生じているような気はしていますが