リハビリ再開(lacoアーカイブズ)

最近新しいマンガをほとんど読んでいないが、それは最近のマンガがつまらないからではなく、置き場の問題と金の問題である。
自分はマンガ論を書こうなどと思いながら有名なマンガで読んでいないものがたくさんある。これまでマンガ論を書かなかったのはそういうところが大きかったのだけど、年をとってそうも言ってられなくなった。
連休中に母から電話があって帰省したらBSで青池保子先生の特集をしていた。恥ずかしながら青池さんの本を私は一冊も持っていなくて、今年になってエロイカ本を買ったがまだ読んでいないのだ。少女マンガの最重要作家の一人をほとんど読んでいないのに少女マンガを語るのは無謀だと我ながら思うが、いずれにせよ一人で手に負えるものではないと自分に言い聞かせる。
スタジオ・ボイスのコミックス特集は今年になってからラッシュが続いているマンガ特集の中でも今のマンガの多様ぶりが窺い知れてとても重宝した。そもそも少女マンガについての基礎知識を米沢氏の「戦後少女マンガ史」に負うている私はマンガの知識のかなりの部分を二次資料から得ているが、そうすると青池保子が少女マンガ史において如何に重要な存在であるかを知っていながら作品を読んでいないというようなことになるわけである。

マンガも隆盛だが最近になって海外小説の重要作品が次々と出版されていて、日本はなんだかんだ言って文化大国なのだと思う。ゾラの作品集からブロッホの「夢遊の人々」、クロード・シモンの「フランドルへの道」も再刊された。買っても読み切れる脳みそがないので買わないが(ブロッホは文庫だったので買ってしまいましたが積ん読)、日本の文学シーンもまた活性化しているような感じは伝わってくる。