新年おめでとうございます-10年代はじまる

昨年は思いがけずマンガの復刻などの出版が相次ぎました。

漫画少年版 ジャングル大帝

漫画少年版 ジャングル大帝

年末にいきなり出て、まったく予想していなかったためあたふたしました。詳しくは小学館クリエイティブのページをご覧ください。
昨年の暮れに豊島区立郷土資料館と豊島区立区民ひろば富士見台で催された『トキワ荘のヒーローたち』には最終日にかろうじて出かけて駆け足で見てきましたが、このときに初めてトキワ荘のあった場所を見てきました。

懐かしの少女夢ふろく (Journal labo)

懐かしの少女夢ふろく (Journal labo)

こちらもこういうものが出るのかとびっくり。少女クラブは私が生まれる前に休刊になってしまいましたが(入れ替わるようにアニメの『鉄腕アトム』がテレビ放映された)、収録された付録のラインナップがとても興味深いセレクションでした。

ところで私が幼少の頃には漫画は基本的に描かなくても小説のさし絵を主に活躍されていた人気作家がいました。全盛期の小学館の学習雑誌を読んでいて、そういう作家の絵柄が染みついています。

糸賀君子さんは端正で清楚な少女の絵柄でその筆頭に挙げられるでしょうが、いかんせん名前が覚えられていないためインターネットの検索では悲しいほどひっかかりません。戦後の『少女の友』から出た藤井千秋とは交流があったんじゃないかとにらんでいますが、少女まんがや少女小説のほうに影響力があったのかどうかすら判然としないありさまです。

これを書いている間、「糸賀君子 藤井千秋」で検索をかけたところ、岸田はるみ名義でも活動していたことが判明しました。こちらだとさらに名前を覚えられない。でも同一人物に違いないことが絵柄で確認できました。

私自身はこのあたりを知りたいものの、目下調べる余裕はありません。昭和30年代生まれだと絵を見たら懐かしいと思うでしょうけど。米沢嘉博さんが秋元文庫に注目する人がいたらいいのにと言っていたような記憶がありますが、もしかしたらあと数年のうちに再評価されるかもしれないような気がします。