「プロフェッショナル仕事の流儀 宮崎駿のすべて「ポニョ」密着300日」を見ました

何でここにこういうエピソードを入れたのだろう、と気になっていたところについて
とても運がいいというか、この番組で答えをもらってしまったような気がします。
(赤ちゃんのほうはなんとなく勘があってああやっぱりと思った自分はまだほめられる
ところは残っていたんだな、それからやっぱりクララは立っちゃうんだねえ)


あとあのフジモトの名前は企画の最初の段階ですでに決まっていたみたいで、
「海底二万哩」のどこで出てくるのか確認できてないんですけど、
本当は藤子F先生から名前をとったんじゃないかって今でも思っています。
娘がいるし、手塚キャラとディズニーキャラの夫婦で、作品としては
藤子アニメを少しは意識しているんじゃないかということで。
藤子さんの優れた短編は手塚さんよりむしろ宮崎さん向きだとも思うし。
で、大長編ドラえもんじゃなくってオバQ

この先は単に個人的な思い入れの妄想でしかありませんが、ポニョを気に入った理由にちょっと
引っかかった部分。
「崖の上の家」といえばちばてつやの「ユカを呼ぶ海」がまず浮かんできて
(かつて男の作家の描く少女はちばてつやが最高とどこかで書いた)
まだ小学校にも入っていない子どもが試練を受けるというのは石森章太郎の「にじの子」っぽい
セカイ系と主人公の年齢のミスマッチ)
この辺はさすがに私の趣味による勝手なこじつけです。

伊藤剛さんのキャラ論と結びつけて読んでみる試みとかも見つけてそれもいいんじゃないかと
思いました。異類婚譚って指摘もあって、人魚姫からキリスト教色を払拭したってのは
こっそり海幸山幸あたりの日本の神話を入れ替えてるようなところもあるかもしれませんが。


まああといろいろと思ったのですが、自分たちの世代って何でこんなにダメなのとか、
(でも自分と同年代でまだ幼い子どもを育てている人がわりといる分ましか)
ロスジェネ世代あたりで否定している文でまったく批評の体をなしていないのを
見つけたりして愕然としましたが(勝手に脳内映画作ってその基準で否定しているようなものが
けっこうあって自分から下の世代は本当にやばいんじゃないかと衝撃を受けた)、
男に育児休暇を与えない企業に就職してはいけないなんてことまで考えてしまいました。

前作の「ハウル」を見てないので作品評は特に書きませんが二回目も見てそれなりの
筋の通し方はされていると思い傑作という感想には変わりはありません。
いずれにせよ貴重な記録を見ることが出来て本当によかったですよ。