あのコレクターアイテムはここにある

最近は珍しいCDを買いに行く機会がめっきり減ってしまって、それは休日に都心方面へ出かける余裕がなくなっているせいでもあるのですが、たまたま音楽雑誌の企画でベストアルバムを選んだのを見たきっかけから入手がきわめて困難なアルバムを検索してみたところ、意外なものが簡単に入手できるのを知ったので、紹介しておきます。

まずはデレク・ベイリー関連でTopography of the Lungs。新装の表ジャケットにはEVAN PARKERの名しか載っていませんが、裏にはDerek Baileyを偲ぶ生没年が載っています。トリオのもうひとりはハン・ベニンク。原盤はヴァージン・ジャパンのマスターとのことで日本でLPを出したことがあるんですね。

The Topography of the Lungs

The Topography of the Lungs

オリジナルのジャケットは内側に載っておりますがWikipediaには写真が載っています。悪趣味なのは1970年という発表年代のせいもあるでしょう。Derek BaileyはこのアルバムのCD化を許可していなかったようなのですが(詳細は調べていません)、彼が亡くなってしまってParker自身は気に入っている作品だったので新たにレーベルを立ち上げた祭にBaileyのメモリアルとして出されたようです。

お次はティム・バックリーです。ジェフ・バックリーの父親で声もそっくりなのですが、アメリカではとても伝説的な歌手なのに(ディラン級とまで言っていいのかはちょっと忘れました)、日本では息子が登場するまできわめて知名度が低かった(今でも知名度ありませんが)のは、入手困難なコレクターズアイテムが故なのでしょうか?というわけで、バックリーにとっては自らプロデュースして最高の自信作だったという「スターセイラー」はアマゾンでもかなり高値で取引されていますが、iTunesのストアでは格安の価格でダウンロードできます。

Starsailor

Starsailor

このアルバムはキャプテン・ビーフハートの在籍していたStraightレーベルから出ていて、フォークロックとジャズを独特の歌唱でサイケデリックに結びつけた前衛色の非常に濃い作品で、人によっては生理的に受け付けられないかもしれませんが、これも1970年の作品で、同年のLorcaでも彼の特殊な楽器のような声を聴くことができますがこちらがかなり廉価で入手できるのに対してStarSailorのほうはまるでプレミアをつけたがっているようにみえるのが謎めいています。私自身は他のアルバムを聴いて息子よりすごいのか判断しかねていましたが、正直言いましてこれはすごいアルバムだと思いました。生きているうちに聴けてとりあえずよかったという気持ちです。