清水宏を見る

私はお金のかからない文化と娯楽としてマンガを選んだ人なので、音楽も記録されたレコードばかりでライブにはほとんど行かず、映画もやはり見に行かない人生を歩んできた。テレビで放映される娯楽作品はそれまで待つというタイプであり、ゆえにテレビではほとんど見る機会がないだろうというヨーロッパ映画などを時々見に行くくらいで、もともとは現代美術やインディペンデントな実験映画を美術館に見に行っていた。それは中学の頃図書館でユリイカ美術手帖などを借りて読んで娯楽にはお金をかけられなかったからである。いまだに自分で決めて純粋に観光目的として旅行に行ったことがない。そんなわけでぴあ等の情報誌をこまめにチェックする習慣がついておらず、小津安二郎の生誕百年などもまったく気づかずに過ごした。また物事を根本から納得しないと身動きが取れないタイプでしかも物分かりが悪いから仕事を素早くこなすことができないで悪戦苦闘しながら自分がここだけは得意といえるのではないかということだけここに書き連ねている。
そこで清水宏の特集があるのを知ったのもたまたまネットが発達したからであったが、かつてキアロスタミの映画を見に行って感動したとき、子供を撮って清水宏の右に出るものはいないと誰かが言ったような記憶があったので、一度見に行きたいとは思っていたが、すでに坪田譲治原作の目玉は上映済み、しかし昨日のモーニングショーが昭和4年のものでチェコの現像所で染色をしているというのに興味を惹かれた。いわゆる昭和モダニズムと海外との関係が見えてこないかということだったのだが、実はそのあと上映されたのがロードムービーとミュージカルであったことに驚いたのでした。
いま時間がないので続きはあとで書き足します。